MCR-295■DORORO "49day" CD

MCR-295
DORORO "49day" CD
 時代時代に少しも乗ることなく変遷を遂げてきたバンドである。『どろろ』結成36年目。
「まあ色々と試み、次々とやってきたもんだね」と、今回のレコーディング中にも話していた。結局は『どろろ』は森山陽一の色であり、ベースは上田 朗、それに尽きる。それがこのCDである。
 84年結成時の4人体制でしばらく活動していたが、やがてボーカルとドラムが抜け、しかし既に声の掛かっていた『LAST PUNK OSAKA』を森山と上田、2人でレコーディングする事になった。それが1986年。レコーディング自体が初めての経験、手探りの仕方もわからない状態だったが、むしろパート別に音を録っていく形が、2人であることに馴染み、結果、整理された音にまとまった。当時はその後の『爆音団』の影も見えておらず、今から思えば[整理された音]は、当時の どろろだったと言えよう。
 さて今回も、緊急事態宣言さなかの4月、長らく在籍したメンバー2人の脱退からの森山・上田録音となった。Vo. G. Dr. 森山、B.上田である。もちろん、この形でのライブは出来ない。しかし実は、かつて2人ライブを何回も経験している。リズムマシンと、森山と上田。20代の頃だ。音も人も若く繊細だった故に成り立っていた。だが、99年からの4人体制で、一度増した[音の厚み]に今、デジタルなリズムでのライブも録音も似合わなくなっている。今後の活動に 確定したものは見えないが、コロナ禍で入っていたライブが全てキャンセルになった今、もう一度[2人でのレコーディング]に踏み切った。
 で、実のところ、1曲目の『欲望と抑制』4曲目の『49day』(daysではない、あえて)は、かなり古い曲である。もともと、どろろの曲作りは、森山の宅録から始まっていた。『欲望と抑制』の基本は20才頃にはカセットテープに録られている。又『49day』は リズムマシンでライブをやることに決めた当時、上田の自宅で、ああだこうだと言いながら出来上がった曲である。基本はそこなのだ。『バケモノ』は 四月までの4人体制でやっていた曲、『精神分裂症(ラヂエーション)』もかつて他バンドの為に作られた曲だが、今[2人でのレコーディング]に際して 無理はない。もちろん今後ライブを続けていく上で[2人]は不可能だ。方策は必要である。しかしこのCDは、やはり『どろろ』であり、何回目かの[Restart]である。(Kaori Ueda)
2020年9月20日発売

挿入曲
壱、欲望と抑制
弐、精神分裂症(ラヂエーション)
参、バケモノ
死、49day
販売価格 1,100円(本体1,000円、税100円)
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